スパニングツリープロトコル(Spanning Tree Protocol)

ループ上に接続されたネットワーク内で、データが循環するのを防止するための制御手法
ブロッキングポートを設定することによりネットワークが論理的にスパニングツリーの状態になるようにする。物理的な閉路がなくなればブロッキングポートを変更することでスパニングツリーの形状を保つ。


IEEE802.1d準拠の手順

1.ルートブリッジの決定
2.ルートポート(RP)および代表ポート(DP: Designated Port)の決定
3.ブロッキングポートの決定
4.Spanning Treeの維持と障害検出


1. や3. にはBridge Protocol Data Unit(BPDU)が使用される。BPDUのフィールドには、

1.ルートブリッジID
2.パスコスト
3.ブリッジID:ブリッジプライオリティとMACアドレスを組み合わせたもの

ブリッジプライオリティ100、MACアドレス200のブリッジIDは100200
などがある。BPDUはルートブリッジのみが生成する。


ルートブリッジの決定
ブリッジIDが最も小さなものがルートブリッジになる。ブリッジプライオリティは管理者が設定可能であり、ブリッジプライオリティを調整することにより管理者が切断ポイントを調整できる。次にルートブリッジ決定の手順を示す。
まず、起動時にブリッジは自分をルートブリッジとしてBPDUを流す。そして、BPDUを受け取ったブリッジはBPDUのルートブリッジIDと自分のブリッジIDを比較しルートブリッジを更新する。これによりルートブリッジを決定する。

ルートポート(RP)の決定
各ポートのリンク帯域幅を数値化したものをポートコストとして、ルートブリッジからのパスのポートコスト累計をパスコストとする。このパスコストが最小のポートをRPとする。

代表ポート(DP)の決定
各LANセグメントでパスコストが最小のポート(パス上でルートブリッジに近いポート)をDPとする。

ブロッキングポートの決定
RPやDP以外のポートを非代表ポート(NDP)といい、これをブロッキングポートとして設定する。